授業・レッスン実践

【授業実践レポ】5年生「on, in, under, by」でたらめカルタを作ろう

EIGO ROOMの【授業・レッスン実践レポ】では、現役の先生方に授業やレッスンの実践を紹介しています。今回はEIGO ROOMの運営者つみきがこの記事を書きました。


5年生「on, in, under, by」の授業実践レポートです。前置詞については、『Let's try!2』UNIT8のThis is my favorite place、『New Horizon』では5年生UNIT5のLet’s go to the zoo! の単元で取り扱いがあります。しかし、「on, in, under, by」のたった4単語とはいえ、メインとしての取り扱いではないため、前置詞を習得するためには時間が十分ではないと考えています。

そこで、予習単元として「でたらめカルタを作ろう/ Let's make nonsense karuta」と題した3時間のオリジナル単元を行いました。子どもたちが前置詞の表現に十分に慣れ親しんだ後、自由に文章を作り、カルタで遊びながら楽しく前置詞を覚える単元です。子どもたちにも大人気、先生方にも大好評の単元ですので、ぜひここで紹介させていただきます。

授業者:つみき
EIGO ROOM管理人。元主任教諭、学級担任・外国語専科。みんなが楽しく参加できるような授業作りに取り組んでいます。

本時について

学年・単元名
5年生 on, in under, by でたらめカルタを作ろう
本時
3/3時
本時の目標
自分自身で作ったカルタ遊びを通して、助動詞を使った文を聞いたり言ったりする。

語彙
〈前置詞〉on, in, under, by
〈動物〉〈身の回りのもの〉などその他既習単語
言語材料
The 〇〇 is 〔on/ in/ under/ by〕the 〇〇.

準備物
・子どもたちが作成した文章とイラストが書かれたカード2枚(取り札と読み札。一枚は文章のみでもよい)
・児童分のマグネット、またはマスキングテープ(ワークシートを黒板に貼るため)
・スタートラインを示すビニールテープ

板書

取り札のカード:A4の少し厚めの紙に印刷しました

授業の流れ

1. Warm UP/導入

挨拶をする。今日の日付曜日天気を子どもたちに確認し、日付カードと天気のカードを黒板に貼ります。教材リンク

2.Today’s Goal/今日のめあて

今日のめあてでたらめカルタで遊ぼう/Let's play Nonsense karuta」を伝えます。カードは前時までに作ったもの使います。教材リンク

Myこだわりポイント
クラス全員が、読み手を取れるようにするため、全員分のカード枚数が必要です。前時までに、必ず全員がワークシートを作成し終えていることや、枚数が全員分あることをしっかり確認します。

3. Review, Practice Words/復習

既習事項である「前置詞」の言い方や使い方をピクチャーカードを使って復習します。教材リンク YoutubeのチャンネルMaple Leaf Learningの「on, in, under, by」に合わせて歌を歌ったり、両手で「上、中、下、横」を表す動作をしたりとジェスチャーをつけながら確認していきます。

その後に、簡単な単語を使って前置詞を使った文章例をリピートさせたり、考えさせたりします。

Myこだわりポイント
前時では、オリジナル文章を作るときに、例えば「The spider is in the box.」を「The box is in the spider.」と単語の位置を逆に書いてしまう子が数人いました。イラストで確認しながら、フルセンテンスで何度もさまざまな文章例をリピートさせます。

4. Demonstration/デモンストレーション

子どもたちが作成した文とイラストが書かれたカード(読み札)をすべて黒板に貼ります。「でたらめカルタ/ Nonsense Karuta」の遊び方を説明し、デモンストレーションを行います。ゲームは、子どもたちを均等に配分したチーム対抗戦です。読み札は先生が読み上げます。

ルール
・各チームの先頭の児童がスタートラインに並ぶ。
・先生が読み札の文を読み上げる。
・先生が文を読み終えたら、スタートラインから黒板まで走り、正しいカードを取る。
・カードを取れた児童は応援に回る。(1枚取れたらその児童はあがり)
・次の児童がスタートラインに並ぶ。
・チーム全員がカードを取るまで続ける。
・先に全員が上がったチームが勝ち。

Myこだわりポイント
カードを取れた児童は応援に回ることで、全員にカードを取るチャンスを与えます。リスニングが苦手な子も、最終的には必ずカードが取れるルールにしています。

5. Let's play!/活動

ゲームスタート! 机と椅子はすべて下げ、チームごとに並んで座れる広さを確保します。怪我などに配慮し、十分に気を付けます。

Myこだわりポイント
取ったカードはもう一度全員で読み上げ、発話の時間も確保します。時間が限られているため、テンポよく進めます。

Mr. Giraffe
Mr. Giraffe

Next is......
The ant is on the sea turtle!

Yes! I got it!
The ant is on the sea turtle!

Kuma
Kuma
Mr. Giraffe
Mr. Giraffe

Nice!

作品カード例(取り札)

教材リンク

6. Reflection/振り返り

チーム順位の発表をします。できたことやわかるようになったことなどを振り返りシートに書き、クラスで共有します。

7. Greeting/挨拶

次の時間の授業の予告などをし、終わりの挨拶をします。

授業を終えて

どのクラスでも「もう一回やりたい!」「今度のお楽しみ会でやろう!」と大盛り上がりの授業となりました。隣のクラスからは「賑やかすぎる」と先生に注意されるほどでした。友達が作ったでたらめカルタの文がとても面白い時は、リピートをするだけで大爆笑のうずに巻き込まれる場面も何度もありました。

この活動のもっともおすすめポイントは、何と言ってもリスニングスキル力の向上です。 先生の読み上げる文を正確に理解し、対応するイラストを素早く見つけることで、リスニング力が鍛えられます。また、リスニングや英語が苦手でも何度もチャンスがまわってくるので、どの子にも達成感を与えることができます。

間違えて覚えやすい「on, in, under, by」。ですが、ゲームを通して前置詞の使い方を視覚的に、そして楽しく学ぶことができたため、この後の単元でも前置詞をうまく使いこなしていた児童が多い印象でした。

  • この記事を書いた人

EIGO ROOM編集部

小学校や英語教室などの授業・レッスンレポを中心に 英語学習に特化した情報を発信しています。 ワークシートなどの情報はInstagramで更新中👇

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