EIGO ROOMの【授業・レッスン実践レポ】では、現役の先生方に授業やレッスンの実践を紹介しています。今回は、EIGOROOM 運営者であるつみきがこの記事を書きました。
4年生『Let's try!2』UNIT6のalphabetの授業実践レポートです。
この単元の応用編として、和英辞典の使い方を知ると同時に、好きな単語を調べてOriginal Word Book/ オリジナルワードブックを作る、という活動を行いました。4線上に正しくアルファベットを書けるようになるのは、高学年の目標です。ですが、できるだけ早く大文字や小文字に慣れ親しみ、英語を書くことに苦手意識をもつことなく高学年になってほしい、という願いからこの活動を実施しました。
子ども達が自分自身の好きなものやことを選んでオリジナルワードブックを作成します。当初授業単位4時間の予定でしたが、どの子も夢中になって作成し「もっとページを増やしたい」という要望から6時間の活動にしました。その他にも休み時間や空き時間に作業を進める子もいました。
子どもたちが英語をより好きになる、おすすめの授業です。
授業者:つみき
EIGO ROOM管理人。元主任教諭、学級担任・外国語専科。みんなが楽しく参加できるような授業作りに取り組んでいます。
本時について
学年・単元名
4年生『Let's try!2』alphabet
単元
6時間
単元の目標
オリジナルワードブック作りを通して、和英辞典の使い方を知るとともに、大文字小文字を4線に正しく書く。
授業の流れ
1時間目
- 大文字を復習し、新しく小文字を学習します。教材リンク
- ABC songやChantsを歌います。
- 『Let's try!2』Unit6の誌面を見て「アルファベットさがし」をします。
- アルファベットの色塗りをしたり、背中文字ゲームをしたりし、小文字に十分に慣れ親しみます。
2時間目
- 大文字・小文字を復習します。
- ABC songやChantsを歌います。
- 小文字を仲間分け(4線上に書く時の文字のそれぞれの場所や形に注目し「1階建てグループ」「2階建てグループ」「地下室ありグループ」に分ける)をします。教材リンク
- 間違えやすい「b」と「d」や「p」と「q」についての覚え方を知ります。教材リンク
- 『Let's try!2』Unit6の誌面を見ながら、音声を聞き、どの看板かを考えたり発表したりします。小文字などの標識などをペアで読み合い、どの標識か当てあいます。
Myこだわりポイント
書く活動に入るまでに、五感を使って十分に小文字に慣れ親しみさせます。「j」は、2階だてグループ+地下室ありグループであることに注意させます。
3~5時間目
- 小文字を復習します。
- ランダムに並び順を変えたり、zからaに順番を逆にしてABC songやChantsを歌います。
- 本単元のメイン活動「オリジナルワードブックを作ろう」に移ります。
- 先生は、和英辞典の使い方や、ワードブックの作り方を説明します。
- 子どもたちは単語を5つほど選んで単語を調べ、書き写します。
作り方
・A4の画用紙に印刷する。教材リンク
・1ページずつ半分に折り、貼り合わせる。
・最初のページに「目次」をつける。
・テープで背表紙を固定する。
・表紙を描く。完成!
Myこだわりポイント
和英辞典は、UDフォントのものを選びます。ここで「a」などの表記が、習ったものと形が異なっていると、子どもたちは混乱します。単語はできるだけ「身近な単語」であることを伝えます。その理由は、「難しい単語ばかり調べ、読み方がまったくわからない」を避けるためです。(最近ではカタカナ読みつきの和英辞典もあります)
作品例
6時間目
- 出来上がったオリジナルワードブックの展示会を行います。自分の机の上に本を置いて、自由に友達の作品を見に行ったり、本を回して見合ったりします。
- 活動全体の振り返りを行います。
Myこだわりポイント
今回は、気に入った友達の作品に、付箋でコメントを書いたり、丸いシールを本の裏表紙に貼ったりしました。友達に認めてもらうことでより達成感を味わえるようにしました。
授業を終えて
今回の単元を通して、子どもたちの英語への興味や関心が深まったように感じました。またそれだけではなく、子どもたちは友だちの好きなものを改めて知ることができ、クラスの仲も縮まりました。「虫はかせの〇〇さん」のように、一人ひとりがともだちに認識してもらえることで、クラスをより自分の居場所として感じることができたようでした。
この単元での注意しなければならないことは、文字を扱うのが苦手な児童へのサポートです。一人ひとりが作るのが難しい場合は、ペアやグループで活動を行うことも考えられます。また、発音がわからない単語がほとんどだと思います。googleなどの検索や音声機能を活用したり、宿題でおうちの人に聞いたりするなどの方法を取り入れるのもよいでしょう。また前述したように、カタカナ発音付きに抵抗がなければ、そういった和英辞典も販売されています。
単元終了後は、学期末まで学級文庫と並べてみんなのオリジナルワードブックを掲示し、自由に閲覧できるようにしました。英語の本が読めない子でも、友達のオリジナルワードブックを通して、アルファベットをより身近に感じているようでした。今後も、英語に苦手意識をもつことなく、「書く」活動を高学年でも楽しんでほしいなと思いました。