国が開いている指導者養成研修があることをご存知でしょうか。これまで学校組織マネジメント、生徒指導、幼児教育、道徳教育、キャリア教育など、15本ありました。そして、その中に並んでいた「小学校における外国語教育指導者養成研修」が、令和7年度で終わりを迎えることが分かりました。
これまで行われていたこの研修は、全国から150名を集めて3日間、受けた人が地元に帰って研修を回す、という形のものでした。しかし今後は、文部科学省が全国の教師等に向けた大規模なオンライン研修を実施します。150名を集めて各地へ返す形から、全国の先生へ直接届ける形へ変わることになりました。理由として書かれているのは、改訂で重視している点が教師等に一層伝わり、英語力・指導力の向上や継続的な授業改善が図られるようにすることです。
今回は、11月2日の有識者会議で配られた資料と、10月5日の審議まとめから、小学校外国語の研修がどこへ行くのかを整理します。
1.150名を集めて各地へ返す研修が、令和7年度で終わり
この研修の正式な名称は「小学校における外国語教育指導者養成研修」といいます。独立行政法人教職員支援機構(NITS)が主催し、文部科学省が共催してきました。
参加できるのは三つの区分の人です。第一に、都道府県・指定都市・中核市の教育委員会の指導主事と、教育センターの研修担当主事。第二に、小学校・中学校・義務教育学校・特別支援学校で外国語科を担当する先生のうち、学校や地域で研修のまとめ役を務めている人。第三に、教職大学院の学生のうち教職経験のある人です。定員は150名で、令和7年度は令和8年2月4日から6日までの3日間、オンラインで実施されました。
目的は二つ置かれています。一つは指導法と専門的事項を習得すること、もう一つは、学校や地域の教職員に向けて外国語教育の専門性を高める研修を推進する方策を身につけることです。受講した人が地元に戻り、今度は研修を実施する側に回ることまでを、目的に織り込んだ設計になっています。実施要項が出ていたのは、令和3年度から令和7年度までの5年分でした。
11月2日に配られた一覧では、研修名のうしろに終わる年度が書かれているのは、この1本だけでした。ほかの14本に、そうした記載はありません。
・小学校における外国語教育指導者養成研修(〜R7年度)
同じ日に配られた資料1-5には、「NITSが主催する研修(令和8年度実施予定)」の一覧も含まれています。「令和8年11月2日現在」として並ぶ指導者養成研修は14本で、小学校における外国語教育は入っていません。NITSのウェブサイトに掲載されている一覧も同じ14本で、この研修の案内は現在閲覧できません(2026年11月6日時点)。

左の列の下、指導者養成研修の一覧。いちばん下の1本にだけ「(~R7年度)」が付いている。
出典:資料2-2「独立行政法人教職員支援機構説明資料(2)」(文部科学省・2026年11月2日配付) https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/212/1418919_00015.html (2026年11月2日に利用)
2.代わりは、国が全国の教師に直接届ける大規模なオンライン研修
小学校外国語の研修がどうなるのかは、10月5日の審議まとめに示されています。
今回の改訂において重視している点が教師等に一層伝わり、英語力・指導力の向上や継続的な授業改善が図られるよう、文部科学省において全国の教師等に向けた大規模なオンライン研修を実施する。
国が作成する動画や資料は、自治体の教員研修でそのまま利用できることを念頭に置くとされています。小学校を対象とするものについては、学級担任と専科教員それぞれのニーズに応じたものとなるよう十分に配慮する、との記載もあります。
実施の時期は、審議まとめには示されていません。
3.国の研修そのものを作り替える会議が、令和9年8月末まで
11月2日、文部科学省に「独立行政法人教職員支援機構の役割の強化に関する有識者会議」が設置され、第1回が開かれました。10月13日の初等中等教育局長決定によるもので、実施期間は令和8年10月1日から令和9年8月末までです。
第1回の議題は二つです。参加対象者の拡大や研修内容の拡充と、次期学習指導要領に対応した研修の在り方。ただし後者について示されたのは、NITSがどのような役割を担うのかという問いと、カリキュラム・マネジメントや校内研修の充実といった例だけでした。小学校外国語をどうするかは、これから議論されます。
まとめ
現時点で決まっているのは二つです。小学校における外国語教育指導者養成研修が令和7年度で終了すること。そして、文部科学省が全国の教師等に向けた大規模なオンライン研修を実施することです。決まっていないのは、その時期と内容です。




