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次期学習指導要領、小・中の告示は令和8年度末|外国語について、2026年11月時点の整理

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次の学習指導要領の告示は、小学校と中学校が令和8年度末の予定です。2027年3月までに、文章が出ます。

授業が実際に変わるのは、そのあと数年先です。2026年11月までに分かっていることを、4つに分けて整理します。

1.日程:小・中の告示は令和8年度末。小学校の全面実施は2030年度(令和12年度)

小学校の全面実施は令和12年度(2030年度)。中学校は令和13年度(2031年度)、幼稚園等は令和10年度、高等学校は令和16年度(2034年度)です。

全面実施の年度(※今後変更の可能性がありうる、と注記あり)幼稚園等令和10年度(2028年度)小学校令和12年度(2030年度)中学校令和13年度(2031年度)高等学校令和16年度(2034年度)
校種ごとの全面実施の年度。小学校は令和12年度=2030年度。

告示のあとに周知の期間を置き、移行期間に先行実施を挟みます。教科書も、著作・編集、検定、採択・供給、使用開始の順で、全面実施に間に合うように進みます。

参考資料4の1枚目「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」。令和8年度から19年度までの帯に、幼稚園等・小学校・中学校・高等学校の行が並び、周知・先行実施・全面実施と、教科書の著作編集・検定・採択供給・使用開始が示されている。

左端の令和8年度の欄に、審議まとめ・答申・改訂の3つ。高等学校の行にだけ、もう1本の「改訂」が令和9年度の欄に立っている。小学校の行をたどると、周知・先行実施のあとに「令和12年度~全面実施」。

出典:参考資料4「次期学習指導要領等について」p.1「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」(文部科学省・2026年11月2日配付) https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/212/1418919_00015.html (2026年11月3日に利用)

ただし、表の右上に「※今後変更の可能性がありうる」と書かれています。先行実施の具体的な時期と内容も「随時検討」のままです。

2.授業の中身:国が語彙リストを作り、評価規準の例も国が示す

授業に関わる変化は3つ。語彙、活動の呼び方、評価です。小学校に関わる変化の全体は、1本目の記事「小学校の英語、変わる9つのこと」で1つずつ見ました。

1つ目は語彙です。いまの学習指導要領にあるのは語数の目安だけで、小学校600〜700語、中学校1600〜1800語、高等学校1800〜2500語。選ぶ基準もリストも示されてこなかったので、教科書ごとに扱う語がばらついてきました。

複数のコーパスを参照するなどして国で語彙選定のための基盤語彙リストを作成し、教科書発行者に対して、当該リストに掲載されている語を教科書で使用することを推奨するべきである。
— 文部科学省 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日)第2部第2章「外国語活動、外国語」p.282
いま教科書A教科書B教科書C選定基準もリストも無い次教科書A教科書B教科書C精選・焦点化
教科書ごとのばらつきから、国のリストに載った語を使う形へ。

語数そのものも、精選を含めて見直す対象です。小学校については、中学校の文法指導との接続の観点から、外国語科で日本語と英語の語順の違いなど(文構造)への気付きを促すことが挙げられています。

2つ目は活動の呼び方です。「言語活動」は解釈にばらつきがあるとされ、「コミュニケーション活動」(主に思考力・判断力・表現力等を育てる活動)と「コミュニケーション活動を支える活動」(主に知識及び技能を育てる活動)の2つに整理されます。あわせて、学習指導要領の本文では「練習」という言葉を使わない方針です。

「練習」という言葉から想起されるイメージが様々となっていること、当該文言を学習指導要領本文で用いている教科がごく一部であることも踏まえ、「練習」という文言は用いずに必要な活動を記載するべきである。
— 文部科学省 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日)第2部第2章「外国語活動、外国語」p.283

3つ目は評価です。5つの領域で評価することは、引き続き重要とされています。変わるのは作り方で、「内容のまとまりごとの評価規準例」を国が示し、各学校による作成は不要とする方向が示されました。各学校が作る単元の目標は、そのまま単元の評価規準になるようにする、とあります。

これまで各学校が作ってきた評価規準は、国が示す例を使う形になります。

3.授業時数:5・6年の外国語は調整の対象。3・4年の外国語活動は対象外

「調整授業時数制度」という仕組みが示されました。各教科等の授業時数から最大15%を減らして、別の時間に回せます。回した先は、各教科等に当てはまらない教育プログラムや、教材研究・校内研修などです。

図では、減らせる教科を「対象教科等」、減らせない教科を「対象外教科等」と呼び分けています。この「対象外教科等」の一覧に、外国語活動の名前がありました。

対象外教科等 特別活動、道徳、外国語活動、音楽・美術(中2・3)など ※調整後に35コマ以下となる教科等
— 文部科学省 参考資料4「次期学習指導要領等について」(2026年11月2日配付)p.4「調整授業時数制度の基本的な枠組み(イメージ)」

引用の末尾にある「※調整後に35コマ以下となる教科等」が、対象外に入る条件です。15%減らしたあとに35コマ以下になる教科は、はじめから減らしません。

3・4年の外国語活動は年35コマ。15%減らすと29.75コマで、35コマ以下になります。条件に当てはまるので、対象外です。5・6年の外国語は年70コマ。15%減らしても59.5コマで、35コマを超えます。条件に当てはまらないので、調整の対象になります。

減らせるのは、年70コマのうち最大10コマ程度です。ただし資料が挙げているのは対象外の一覧とこの条件だけで、対象になる教科を1つずつ示してはいません。

対象外になる条件は「調整後に35コマ以下となる教科等」調整の対象外国語(5・6年)年70コマ → 減らしても59.5コマ対象外外国語活動(3・4年)年35コマ → 減らすと29.75コマ対象外の一覧に並んだのは、特別活動・道徳・外国語活動など。対象になる教科を、資料は1つずつ挙げていない。
条件は「調整後に35コマ以下となる教科等」。3・4年の外国語活動は当てはまって対象外、5・6年の外国語は当てはまらず対象。
参考資料4の4枚目「調整授業時数制度の基本的な枠組み(イメージ)」。左に対象教科等それぞれ最大15%と対象外教科等の箱、中央に裁量的な時間(学習枠・研究・研修等枠)、右に既存教科上乗せ・教科新設が並ぶ。

左下の「対象外教科等」の箱に、特別活動・道徳と並んで外国語活動。下の注は「調整後に35コマ以下となる教科等」。

出典:参考資料4「次期学習指導要領等について」p.4「調整授業時数制度の基本的な枠組み(イメージ)」(文部科学省・2026年11月2日配付) https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/212/1418919_00015.html (2026年11月3日に利用)

ただし、この図には2つの注が付いています。「最大限大きくとった場合の想定であり、制度全体として、中央教育審議会で検討中」。そして「コマ数は、現行の標準授業時数をもとに記載したもの」。制度そのものが、まだ検討中です。

外国語の授業時数を増やすために使われてきた制度は、この調整授業時数制度に統合されます。現行の教育課程特例校制度を使っているのは、令和7年4月時点で1,915校。そのうち1,483校が、外国語に関する内容です。審議まとめは、この制度が調整授業時数制度に統合されることを示したうえで、現行制度での実践事例を教育委員会等に積極的に提供するとしています。

時期だけは、学習指導要領より早く動きます。令和9年度にサキドリ研究校を大幅に増やし、令和10年度から全国で先行実施を可能とする方向で検討する、とあります。全面実施の2年前です。

資料はこの制度を「柔軟な教育課程編成を可能とする」ものだと説明しています。実際に減らすかどうかは、各学校の教育課程編成の中の話です。

4.先生の準備:教職課程の整理が進み、国が全国向けのオンライン研修を実施

まず免許です。教員免許を取るには、教職課程の単位とは別に、一般教養科目を4区分・各2単位ずつ修めることになっています。日本国憲法、体育、外国語コミュニケーション、そして「数理、データ活用及び人工知能に関する科目」または情報機器の操作。教育職員免許法施行規則66条の6に定められた科目です。

この扱いを、9月17日の審議のまとめが整理しています。

日本国憲法については「教育法規」の中に、データ活用・AIについては、教育データ・AIとして、それぞれ教職課程に内在化。外国語コミュニケーション及び体育は教職課程に位置付けない整理
— 文部科学省「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について(審議のまとめ)」(2026年9月17日)Ⅲ-1-(1)。11月2日の会議に資料1-2として配付
施行規則66条の6科目(免許に要る一般教養)の行き先日本国憲法「教育法規」に内在化データ活用・AI「教育データ・AI」に内在化外国語コミュニケーション・体育教職課程に位置付けない
内在化する2つと、教職課程に置かない2つ。外国語コミュニケーションは後者。

いまの免許で教えている先生に影響はありません。これから免許を取る人の話です。外国語(英語)のコアカリキュラムのほうは、免許制度の見直しを踏まえて改善する方向で、第二言語習得の研究や認知心理学、学習科学の知見、学習方略の指導方法を学べるようにする、と10月5日の審議まとめにあります。

研修のほうは、形が変わります。NITSが行ってきた「小学校における外国語教育指導者養成研修」は令和7年度で終わり、代わりに文部科学省が、全国の教師等に向けた大規模なオンライン研修を実施します。小学校向けは、学級担任と専科教員それぞれのニーズに応じたものになるよう十分に配慮する、と書かれています。

この研修の行き先は、別の記事「150名を集めて各地へ返す研修が、令和7年度で終わり」で1つずつ見ました。

まとめ

4つの章に共通しているのは、これまで各学校や教科書発行者に任されていたものを、国が示す形に寄せていくという向きです。教科書で使う語も、評価規準の例も、研修も、国が作って配る側に移ります。

ここまでは、どれも「〜するべきである」という書き方です。それが「〜する」に変わるのが告示で、小・中学校は令和8年度末の予定。材料はもう公開されているので、告示を待つあいだに読んでおけます。

出典

  • 文部科学省 教育課程部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」(2026年10月5日) https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/gaiyou/1292164_00001.htm ※外国語は第2部第2章 pp.274〜284
  • 文部科学省 教育課程部会「外国語ワーキンググループ取りまとめ(案)※会議後修正」(2026年8月4日公表) https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/108/mext_02389.html
  • 文部科学省「独立行政法人教職員支援機構の役割の強化に関する有識者会議(令和8年度)(第1回)配付資料」(2026年11月2日) https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/212/1418919_00015.html ※日程表は参考資料4、調整授業時数制度は同p.4、研修は資料2-2
  • 文部科学省「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について(審議のまとめ)」(2026年9月17日)※上記の資料1-2
  • 文部科学省 資料1-5「独立行政法人教職員支援機構説明資料(1)」(2026年11月2日配付)※機構の概要と、令和8年度に主催する研修の一覧
  • 独立行政法人教職員支援機構 研修一覧 https://www.nits.go.jp/training/ (2026年11月3日に利用)

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