授業残り10分! 予定していた授業の内容もすべて終わってしまい、残りの時間何をしていいかわからない。時間をつぶせそうなプリントも準備していない。次の範囲に入る時間はない。さて、何をしよう? 先生なら誰しも、そんな経験があると思います。
今回は英語の授業残り10分でできる、No-prep(準備なし)のアクティビティを6つ紹介します。どれもシンプルですが、盛り上がること間違いなしです。
準備なし! 6No-prep Activities
1. Gesture Game
まずは、定番のGesture Game(ジェスチャーゲーム)です。先生は、その日に学習した単語の中から一つ選び、その単語が何かわかるように動きだけで表現します。例えば、「soccer」ならボールを蹴る動きをしたり、「sleepy」なら眠たい表情をしたりなど。
何の単語か、できるだけ早く当てた人が勝ちです。チーム分けをして、点数をつけ競い合うのもよいでしょう。
2. Pictionary
こちらも定番、Pictionary(お絵描き単語当てゲーム)です。Pictionaryは、Picture(絵)とDictionary(辞典)を掛け合わせた造語です。
一番簡単な方法は、その日に学習した単語などの中から一つ選び、その単語が何かわかるように先生は黒板に絵を描きます。子どもたちはその絵が何を表しているかを当てる、というアクティビティです。最初に当てた子が次のお題を出すなどの工夫をすると盛り上がります。
チーム戦もありますが、授業残り10分でできるものではないので、今回は割愛します。
3. 3Hint Quiz
3Hint Quiz(3ヒントクイズ)はリスニング力を鍛えたい時にぴったりなアクティビティです。先生は、ある単語を表す3つのヒントを出し、子どもたちはそれが何を指しているかを考えて答えを導きます。
①It's an animal.
②It's yellow and brown.
③It has a long neck.
It’s a girrafe!
答えは「キリン」ですね。
短い文を聞き理解する力を鍛えることもでき、また、そのうち少しずつ長い文を加えていくことで、子どもたちは集中して聞くことができるようになっていきます。日頃の先生の英語での指示などを聞く力も伸ばすことができます。
4. I Spy
3Hint Quizに似ていますが、その時に見えているものの中から答えを決めてクイズを出すというゲームが、I Spy(アイ・スパイ)です。元々の意味は「探しっこ」といった子どもの遊びによく使われる言葉です。実は、子どもたちに大人気絵本『ミッケ』の原書タイトルが、この『I Spy』です。
先生は教室の中から一つ答えになるものを選び、"I see (with little my eyes)something......."のフレーズを使い、その単語のヒントを言います。
I see (with little my eyes)something square.
An eraser?
No.
I see something big.
I see something green.
The blackboard!
Correct!
答えは「黒板」ですね。
先生は両手で双眼鏡を覗き込むような真似をしながらクイズを出すと、さらに盛り上がります。
5. Simon Says
体を動かしながら楽しくリスニング力を伸ばせるアクティビティがSimon Says(サイモンセッズ)です。こちらも英語圏の子どもたちに大人気なゲーム。日本でも浸透してきています。
先生はSimon(サイモン)役になります。先生は子どもたちに"Simon says --"に続けて指示を出し、子どもたちはその指示に従い動作をします。ただし、先生が"Simon says --"と言わずに指示を出した場合、子どもたちは指示に従ってしまったらアウト!
また、子どもたちは「指示を繰り返し言う」というタスクを加えることで、遊びの中で楽しく発話の練習をさせることができます。子どもたちは声を出す方に集中することで間違えやすくなり、ゲームの難易度もあがります。
Simon(先生): Simon says, stand up!
子どもたち :(立ち上がりながら"Stand up")
Simon(先生):Simon says, walk!
子どもたち :(足踏みしながら"Walk")
Simon(先生):Simon says, run!
子どもたち :(その場でジョギングしながら"Run")
Simon(先生):Stop!
子どもたち :(ジョギングを続ける)※"Simon says"と言っていないので、止まってしまった人はアウト!
Simon役が上手にひっかけを行うことで、子どもたちの大爆笑を誘うこともできるとても楽しいアクティビティです。この遊びに慣れてきたら、特に高学年などは勝ち残り戦をすると、やる気も倍増します。小さい子と遊ぶ時は、ゆっくりのテンポでやるといいでしょう。
Simon saysゲーム〈Simon says Chart 指示ゲームチャート〉
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5. 31out
31out(31アウト)は、数字の復習にぴったりのアクティビティです。クラス全員に発話の機会があり、スリルもあり盛り上がります。
先生は席の順に沿って指名していきます。子どもたちは順に数を数えていきます。一人が言える数字の個数は1〜3つまで。例えば、初めの子は「1, 2, 3」、次の子は「4」、そして次の子は「5, 6」というように進めていきます。どんどん続けていき、「31」を言った子が負け(OUT)というゲームです。
6.Shark Tank
最後にShark Tank(サメの水槽)ゲーム、別名Hangmanと呼ばれるアクティビティです。英語圏の子どもなら、必ず一度は遊んだことがあると思われるとても有名な単語ゲームです。
先生が決めたターゲットワード(単語)の文字数だけを伝え、子どもたちはアルファベットを一文字ずつ予想していきます。そのターゲットワード(のスペル)が何かを当てるというゲームです。何度も間違えると、サメに食べられてゲームオーバー!
- 先生はターゲットワードの文字数を伝え、黒板に下線を引く。例えばAPPLEなら、5文字なので_ _ _ _ _ 。
- 先生は、階段を数段描き、その下にサメ(もしくはサメに扮した先生!)を書く。
- 子どもたちは、ターゲットワードに入っていると推測した文字を言う。例えば「P」と言ったら、ターゲットワードに入っているので、先生はPを書き入れる。_ PP _ _ 。「B」など入っていない文字を言った場合は、階段が上から一段ずつなくなり、サメに近づいていく。
- サメに食べられる前に、ターゲットワードを当てたら子どもたちの勝ち。
先生が子どもたちを食べるジェスチャーをすれば、子どもたちはサメから逃げきるために一丸となり必死に答えを導きます。クラスの仲を深めることもできるアクティビティです。
たった10分も有効活用しよう
たった10分間でも、簡単なアクティビティならば十分に楽しめます。また、短時間の中で集中してアクティビティに取り組むことによって、子どもたちは楽しく言葉を習得したり既習表現を復習したりすることができます。
余った10分間を有効的に活用し、アクティビティやゲームでより有意義な授業作りができるといいですね。